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偉人の警句を、真に受ける。 [読書]

警句、というのは鋭い。
いや物事の真理を含む言葉を警句というのだから、鋭くて当然か。

「ミネルヴァの梟は黄昏に飛びたつ」
これも例に漏れず鋭い。
気も利いている。
“ミネルヴァ”あたりの響きが野暮ったくて
口に出すのは恥ずかしいが、イカシタ修辞だ。

僕がこんな修辞法を身につけたなら。
…ひょっとして友達が減ったりするのだろうか。


ミネルヴァの梟は黄昏に飛びたつか? : 探偵小説の再定義
(笠井潔. 早川書房. 2001.3. (中公新書) 286p. ¥2,600)

ミネルヴァの梟は黄昏に飛びたつか?―探偵小説の再定義



タイトルに惹かれ、
題材に驚き、
カバーのあらすじで甘く見て、
一読してひれ伏した。

この本、面白いわ。

題材は、正直よく分からない。
僕は推理小説に造詣が深くなく
評論の対象の一割ほどしか理解できない。
だけども、この本がやろうとしている
推理小説体系の分析に溜息がでる。

評論の対象は分からない。
その分、論理の展開が光ってみえる。
事例の積み重ねから分析、結論に至る流れが美しい。
この本を読むと、対象の推理小説まで読みたくなる。
実際、一冊買ってきた。

以前、「ためらいの倫理学」からも感じた
この感覚は未だ新鮮で、僕の人生を明るくする。
ああ、この人は本当に真剣なのだと感嘆する。

これらの本は評論本としても推薦本としても成功している。
論理的思考を身につけるテキストとしても優れているんじゃないだろうか?
この書きようは紛れなく、僕の理想の一つだ。
いまに追い越していきたい。


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